「文句言ってねえで早く行けよ。ほら」


う、腕が……。

渡されたゴミ袋が、両手にズッシリと重みを感じる。

本当は誰かに手伝って欲しいところなんだけど、仕方ない。

ゴミ袋を持ち直した私は、半ば引きづりかけの状態で教室を出た。

男子って、こんなの余裕で持っちゃうの?

あり得ない……。

ズルズルと、落ちていくゴミ袋に悪戦苦闘していると、頬にヒヤリとした感触が――。

続けざま、ゾワッした声が耳元で囁かれる。


「今夜の宴は君の血に決まりかな」


だが、よくよく思い出してみると、これは、もう、あの人物。