ボタンが取れても大丈夫な様に、慌ててシャツを引っ張った。

危ない危ない。後で直さなきゃ。



「中嶋君って、やっぱり何か良いね」

「えっ?」

「無理してカッコつけてる時より、ほんのちょっと抜けてるところ」

「えー!千恵ちゃん!!俺の告白そんな風に笑うの!?」

「だってー、キャラじゃないもん」


プイッと、すねた私に、千恵ちゃんがケラケラと笑った。

心配していた、ガチガチのお見合い感が嘘の様だ。


「千恵ちゃん」

「何?」

「俺の事、好きなら、美夜って呼んでよ」


――すると、ほんの少し躊躇った様子の千恵ちゃんが、私の名を、一言、呼んだ。


「……美夜」

「ん。有り難う、好きだよ。千恵ちゃん」


人生初の告白が、まさかこんな感じになるなんて。トホホ……。