「中嶋君?」

「あっ、ごめん。俺……」



――!!!

私のバカ。バーチャルに嫉妬するなんて。


「気分悪いとか?」

「大丈夫だよ、本当。ごめん」

「それなら良いけど」

「でも、千恵ちゃんが、そんな風に心配してくれるって嬉しいな。今なら気分悪くなっても良かったりして」

「もう、中嶋君ったら!」


冗談めいた会話で雰囲気を戻していると、緊張感のほぐれてきた千恵ちゃんが、私のシャツを指さした。



「中嶋君、ボタン、取れかけてる」


ヤバッ!どこかで引っ掻けたのかな。


「あ、あはは、俺、こういうの、よくやっちゃうんだよね。うちって男子校だろ?何だかんだで、皆やること激しくてさ。まあ、俺がドジってのもあるけど」