「だってすごく可愛いじゃん」



これはバーチャルだ。

私は、本当の彼氏になるわけでもないし、心から告白してるわけでもない。


「俺じゃダメかな?ほかの男子みたいにかっこよくないけど、千恵ちゃんの事は大好……」


と、言いかけた時、一瞬、理玖の姿が目に映った。

心の底に涌き出る気持ち。


――私、何やってるんだろう。

理玖が、今、どんな話しをしてるかは聞こえない。

――だけどね、私だって女の子なんだよ?

あの子の席に座って、それで、それで……。



悶々と考えていると、首を傾げた千恵ちゃんが、心配そうな顔つきで、話しかけてきた。