「あのぉ、私の友達が指名した男の子達の名前、聞いて良いですか?」
「ん?ああ。志田恭平と樋山理玖だよ。もしかして、アイツらの事、気になってるの?」
「全然!本当に全然そんな事ないです!」
わざと悲しげな顔をしてみせた私を見て、千恵ちゃんは、ブンブンと首を横に振った。
「良かった、やっぱり俺以外の奴が良かったんじゃないかって心配しちゃった」
「そんな、絶対絶対ないですからっ!」
何もそこまで言わなくても……。
気を取り直し、質問を投げかけた。
「ところで、千恵ちゃんは、実際、彼氏はいる?」
「や、やだな。彼氏だなんて。そんなのいません。私の回り、皆、可愛いし、私なんかと付き合ってくれる人なんかい……」
カップを持った千恵ちゃんの手にソッと触れると、俯きかけていた頭を上げ、私を見つめた。
「あの、中嶋君……」
「俺は千恵ちゃんみたいな子タイプだけど」
「えっ……!?」