「先生、うちの高校って、どうして体育祭と文化祭が競技になってるんですか?」


「それを今から説明する所だろうが。考え事してねーで話聞け」


上手く誤魔化そうと思ったけど、さすがに無理だったみたい。


それにしても、今日の桜御先生……何かいつもと違うなあ。

何だか疲れてるっぽいんだけど。気のせい?


そんな事考えていると、いきなり教卓が叩かれ、騒がしくなりかけていた教室内に静けさが戻った。


ははっ、どうやら私の思い過ごしみたいね。


「話に戻るが、クラスには、運動の得意な奴と苦手な奴が偏ってる事がある。それだと、苦手奴が多いクラスはどう考えても不利だ。ウチなんかも中嶋は体育祭に出れない。それを誰かがカバーする事になる。しかも、体育祭は出来ない奴にとって、気が重いだけの行事でもあるわけだ」