ギュッと、目を瞑ったものの、なぜか何も起こらない。
「美夜、何してんだよ。置いてくぞ」
茗の言葉にソッと瞼を上げてみた。
あれ?さっきの人は?
辺りをキョロキョロ見渡すと、既にずーっと先の方に歩いているのが見えた。
いい人で良かった……。
肩を撫で下ろした私は、急いで茗の元に向かうと、前を行く彼の姿を目で追った。
中にはあんな人もいるんだ。
顎、大丈夫だったのかな。
「ねえ、茗」
「んあ?」
「あのさ、茗の身長っていくつだけ?」
「身長?何だよ、急に」
「いや、何となく気になっただけなんだけど」