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寮に着く頃には、すっかり日も落ち、門限アウトで冷や冷やだったが、先輩の秘密の侵入路により、何とかバレずにすむ事が出来た。
「んじゃ、先輩。おやすみなさい」
「おう、またな」
疲れきった頭に、朝の茗とのやり取りが巡ってくる。
ヤッバー。
茗、怒ってないかなー。
帰るの遅くなっちゃったし。
部屋の前で一つ咳払いした私は、思いきりドアを開けた。
「たっだいまー!!遅くなっちゃった。何か先輩にあちこちつれ回されちゃってさ。で、これ、UFOキャッチャーで取ったぬいぐるみ。先輩、すっごい上手いんだよ」
「……」
無、無反応。
どうしよう、本気で怒ってる?