「そ、それはダメ!!!亜子さんは先輩の元カノでしょ。それだけは、……絶対、……やだ」

「おい、いい加減にしろよ」


おもむろに、私の背中に手をやった先輩に顔を向ける。


「先輩……」

「心配すんなって。亜子とは遊ぶ気ねえし、そもそもここに美夜を連れて来たのは、亜子にだけはちゃんと本命いるって伝えようと思ったからなんだから」


先輩、ナイスフォロー!!!って、言うか、この演技の上手さがある意味怖かったりして。



「取り合えず、先輩からの伝言な。別れたいならそうしようってさ」

「そう。大崎君が……」


瞼を伏せた亜子さんが小さな声で返事した。