「多分って何!?多分って!!」 「さあ?」 「先輩!」 「あははっ」 冗談めいた笑いに、騙された感満開となる。 そんな、しかめっ面の私の名前を「美夜」と、一言、いとおしそうに呼んだ俊先輩が、頭にポンッと手をおいた。 こんな事されると、何だか、怒る気もなくなっちゃう。 もしかすると、今、私が見てるこの表情が先輩の本来の素顔なのかも。 だとすれば、先輩に本当に愛されてた彼女は、この姿をずっと見てたんだろうな。