私の心に気がかりな事が一つ。


「あのう、先輩」

「んあ?」

「さっき大崎さんが話してた事なんですけど」


口重たげな私の問いかけを悟ったのか、先輩は、自らその事を口にした。


「先輩の彼女が、俺の元カノって事?」

「はい……」

「そんなの、昔の話だって」


そう言って、賑やかなゲーセンの前で、UFOキャッチャーを目にした先輩は「あれ、やろうぜ」と、言って私の手を引っ張った。


「美夜ちゃん、何か取って欲しいのある?俺、これ、結構得意」

「先輩でもUFOキャッチャーとかするんですね」

「どういう意味だよ」