謝る様子がない所を見ると、私の事などまるで眼中にないのだろう。


「悪いけど、彼女づれなんで」

「えー、じゃあ、その子も一緒で良いからさ。ちょっとだけ、ね?」


本当の彼女じゃないとは言え、何か頭にくる言い方だな。

こんな所で待っててもムカツクだけだし、もう先に行ってよ。

半ば呆れ気分で、歩き出そうとした瞬間、耳を疑う先輩の言葉に思わず足がかたまってしまった。


「お前らみたいなブスと遊ぶわけねえだろ」

「ちょっ、失礼じゃない!?」

「煩せーな、下手な演技しやがって」

「演技って何!?この子は本当に振られたのよ!!」

「なら、そのキスマーク。そうやって慰めてくれる奴のとこにでも行ってくんない?」


そう言うや否や、先輩は私を引き寄せた。

突然の事に何が起きたか分からぬまま、私の胸は弾みをみせる。