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それから、大崎さんのマンションを出て、少し歩いた時だった。

前から来た三人の女の子達が、急に目の前で立ち止まった。


「こんにちは。遠くから見てたんだけど、すっごくカッコイイね」

「今、暇してない?昨日さ、この子が振られちゃって、今から励ましてあげようって話してたところなの」


俯き加減の女の子がおずおずと先輩を見上げた。


「ねえ、だめかなあ?おごるからさぁ」


これって、いわゆる逆ナンですか?

女連れの男に声をかけるとは、いい度胸と言うか何と言うか――。

そんなやり取りを見ていると、三人の中で、一際、色気を出すようにまばたきしている女の肘が、私の腕にトンッと当たった。