「俺と先輩の仲じゃないっすか。固い事言いっこなし」

「ばーか」


――本当にこの人が先輩の彼女を取っちゃったのかな?今の二人見てると疑わしい気もするけど。

そんな事を考えながら、洗面所で袋を開けると、中には、先輩が選んだとは思えない白いブラウスと花柄のキュロットスカートという、ガーリーな服が入っていた。

実の所、先輩が選んだって聞いた瞬間、色気ムンムンの服とか着せられたらどうしようとか心配したんだよね。


「お待たせしてすみません」

「おっ。良い感じに仕上がったじゃん?"美菜ちゃん"」

「もう、先輩!からかうのは止めて下さい!!」


ケラケラと笑った俊先輩は、私の頭にウィッグを被せ、毛先を軽く整えた。


「じゃあ、行くか。ちょっと二人で街行って慣れとく方が良いだろうし。靴はそこにあるから」