騒がしさに目を覚ますと同時に、私の目の前に被さってきた茗のシーツ。
瞬時に状況を察知した私は、ササッと服に手を伸ばした。
「寝起き悪いくらい良いだろうが。別に隠す様な事じゃねえだろ」
「想像してるもんじゃないすから。噛みつかれますよ。マジで。流血もんですって!」
茗の奴ー!!食い止めてくれてるのは有り難いけど、もっとほかに言い方ないの?
「そんなの同室の奴で慣れてるから」
「先輩っ!!」
大急ぎでTシャツを着た私は、白々しく大あくびをし、ベッドから顔を出した。
「煩いなあ……。何騒いで……んの…」
と、思わず言葉を呑んでしまった。
その変わり口をついで出た言葉と大慌ての後ずさり。