夏休みも終わり、私はまた寮生活へと戻った。

勿論、伸びかけていた髪もバッチリ切りそろえたのだが・・・。


「遅刻すっぞ」

「あー、うん」

「どうした?」

「何か、寝癖がなおらなくて」


私を見た茗が一瞬、ププッと吹きだしかけた。


「ちょっと、今、笑ったでしょ?」

「そんなことねえよ。それより早くしねえと俺まで遅刻するだろ」

「こんな髪で行けないよ。先行ってて」

「ったく、仕方ねえ奴。テキトーに切り上げて来いよ」

「分かってるってば」

「……にしても、どんな寝方したらそんな前髪になるんだよ」