考え込んでいる私の傍らで、恭平が再び口を開いた。


「理玖ってさ、昔はあんなじゃなかったんだよ。もっと明るくて、クラスの奴らともよく話してた」

「えっ?」


今の理玖からは想像もつかない。


「何かあったの?」

「ああ。喋りも上手くて、顔も良いっつったら、嫌でも女子がくっつくだろ?」

「んー、まあそうだね。茗もよくモテるし」


その返事に特に答える事はなく、恭平は話しを続けた。


「んで、まあ、ある時までは良かったのよ。けど、ある日、クラスの女子が、理玖に告ったんだわ」

「へえ、勇気あるね。それでどうなったの?」