「……見た目は、背が高くてかっこいいよ。後、無口だけど優しい」



自分でも何口走っちゃってんだろうと、思った。

まるで私の心を見抜いたかの様に、ジュースを飲み終えた恭平が呟いた。


「何だか理玖に似てんのな」

「……」

「アイツも見た目は良い方じだし、背もあるしな。無口な印象あるけど、何だかんだで気もきくし」



不意に、胸の奥が、今まで感じた事のない気持ちになってる事に気付いた…。

もしかして、私、理玖の事――。

入学式のあの日、中には優しい人もいるんだ……って、理玖の背中を目で追った。

俊先輩から、理玖が私を好きだと聞いた時、もしも告白されたら、自分は女だって事をバラすかどうか自問自答してた。

どうして気づかなかったんだろう?

私は、理玖を好きだったんだ――。