「駆け落ちの話しを持ち掛けられた時は、さすがに身をはって引き止めたけどね。まあ、結局のところ、上手くまとまったわけだし」
うんうん、と、思い出にひたる叔父さんの側で、私はガッチガチに固まっていた。
か、駆け落ち結婚って。……純水に愛を育んだんじゃないの?
告白はラブレターだったのよ、なんて言ってたくせにーっ!
聞いてた話しと全然ちがーう!!
と、頬をひきつらせていると、叔父さんが、ネクタイを締めてくれた。
「これでよし」
「あっ、すみません……」
「理事長にはちゃんと説明してるから」
「はい」
一応、テストも受けたしね。