「そんな事ないよ。それに見るだけだし」
すると、側に置かれた帽子を手に取った茗が、カポッと私の頭に載っけた。
「お前にはこっち」
「けど……」
これじゃあ、恭平に悪いじゃん。
「帽子くらい、いくつかぶろうと良いじゃねえかよ」
「そういう意味じゃなく、コイツに変に触るのやめてやって。美菜の奴、彼氏もちだから」
はあ!?
よくもあ、次から次へとそんな突拍子もない事思い付くわね。
「後で彼氏と喧嘩なんかになってもイヤだろ?それでなくても、お前の彼氏、嫉妬深いし。悪いな、変に下心とかそんな意味じゃなく、本当に美菜が困ると厄介だし」