「古着屋の後は、もう一つ向こう道の飯屋行こうぜ。新しく出来たらしいの。だよな、理玖」
「俺はお前から聞いただけ」
「恭平って、詳しいんだね」
ヤバッ!!
口を突いて出てしまった名前に、思わず焦ってしまった。
「ご、ごめん!名前、馴れ馴れしくてっ…!」
「良いって、良いって。そんくらい。それより、店こっちな」
と、あっけらかんと笑っていた恭平の目が、スッと理玖に向いた。
人混みの中、俊先輩が歩いて来るのが見える。
「俊先輩、また違う女だな……」
「朝から出かけたと思ったら、またこれか」
本当、仲悪いな。この兄弟。
って、私、今、女の姿じゃん!?
バレるよ!それでなくても怪しまれてるのに!!!