「美夜、お前のパスタちょっとちょうだい」
「やだよー。自分のあるでしょ?」
「もう食ったっつーの」
「ええっ!?早くない?いつもはそんなに食べないじゃん」
「腹減ってんの。いいから少し」
「んー、分かったよ。仕方ないなあ…」
「相変わらず仲良いわね」
そう言って、フフッと、笑った叔母さんは、叔父さんの取り皿にサラダを入れ、渡した。
聞けない――。
こんな仲良い家族に、「本当はどういう関係なの?」なんて――。
そんな事で家の中を無茶苦茶にしたくない。
せっかく帰って来たんだもん。今は取り合えず夏を満喫しよう。
学校とは違って家では普通の女の子でいられるんだもん――。