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家に帰ると、叔母さんが私達の為にご馳走を用意してくれていた。



「二人共、たくさん食べてね。叔母さん、今日の為に腕によりをかけたの。勿論デザートもあるわよ」

「母さんったら、一週間も前から今日の事ばっかり言ってたんだよ」

「それは貴方だって同じじゃない。あら、茗ったら、またニンジン美夜ちゃんにあげてる」

「いいだろ、別に。美夜の為、美夜の為」



次々と皿に載っかってくるニンジンを見ながら、私の頭の中には恭平の言っていたあの言葉が巡っていた。

本当は、叔父さんと叔母さんは、茗とどういう関係なんだろう。

そんな事を考えていると、叔母さんが声を掛けてきた。



「美夜ちゃん、どうしたの?」

「えっ?」

「全然お箸がすすんでないみたいだけど……?」

「あはは、全然大丈夫です。久々に帰って来てなんかホッとしちゃったなぁ、なんて」

「そう?それなら良いんだけど」



ローストチキンを頬張った私は、心配そうな叔母さんに笑みを返した。