「本当ごめん、すぐに片付けるよ」
「俺もやるわ」
「大丈夫なのに」
「っつうか、元々俺のだし」
まあそうね。
そんな事を思いながら、Tシャツを拾おうとした時、不意に茗のが手が触れた。
「あっと、ごめん」
「……」
「茗?」
「……」
一瞬の沈黙の後、サッと手を引っ込めた茗は、何故か視線をそらしてしまった。
「美夜」
「ん?」
「悪いけど、家の方に連絡して来てくんない?夕方には帰るって……」
「良いけど、片付けは?」
「こっちは、すぐ終わるせるから」
「分かった。行って来る……」
茗ったら変なの。
肩をすくめた私は、一度後ろを振り返った。
そこには、散らばった服を前に悩ましげに首を横に振っている茗の後ろ姿があった。