「あの店の下、行こうぜ」 「寮までもう少しだろ。走れば良いじゃん」 出来ないから言ってるのよぉ。 「俺、そんな長く走れねえよ。それに、風邪なんか引いたら……」 「あー、そっか。お前身体弱いんだっけな。ったく、さっきみたいな素早さ見てたら、コイツのどこか病弱?とか、言いたくなるけど…」 「一瞬だけなら大丈夫なんだよ。ほら、早く」 恭平の腕を引っ張った私は、何とか店の屋根下に逃げ込んだ。