歩き出して、間もなく、鼻の頭にポツリと雨粒が落ちて来た。


「雨だっ」

「えっ?今、さっき、お前が降ってないって言ったばかりだろ」

「本当だってば!!」

「はいはい。一番最初に雨に濡れる奴は……」



言い終わる間もなく、アスファルトを大粒の雨が濡らし始めた。


傘!……ヤバイッ、置き忘れて来てる。慌てて学校出たせいだ。


このまま濡れ続けたりなんかしたら、いくらタンクトップを着てるとは言え、胸が……。



「恭平、傘はっ!?」

「持ってねえよ」


どうしよう。取り合えずどこかで雨宿りしなきゃ。