「昼にさ、どんな具合かここ来てみたら、誰も居ねえし、教室戻ろうとしたわけ。そしたら、恭平の声が聞こえて、お前がぶっ倒れてんだよ。しかも、保健室へ連れてくとかマズイ事言うじゃん。だから、俺が部屋へ連れて来たって感じ」
「そっか、倒れたりして、疑われなかった?」
「大丈夫だろ。お前、体育なんかも休んでるしな」
「良かった…」
安心した私は、ふと、茗が持ってるチョコクリームパンに目がいった。
「ああああ――っ!!それ、私の!」
「良いだろ。別に。半分食う?」
「半分食う?じゃないわよ!それは、恭平が私にくれたやつなんだよ」
「へえ。恭平の奴が?どういう風の吹き回し?まあ、結構美味いから、頂いといてやるよ」
「ちょっ!」
口一杯にパンを頬張った茗は、食べ終わった袋をごみ箱に投げ、小さなガッツポーズをした。
「おっし!入った!!」