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ピシピシッ、と、弾かれる頬の痛さに瞼を開けると、茗の顔が横にあった。


「気づいたか?」

「あーっ……。うん」


記憶が曖昧だ。

えっと、確か……。先輩と理玖が話してて、その後、色々考えてたら、急に倒れちゃったんだっけ――。


痛たた……。原因は、生理痛か……。


あの時、先輩にさえ会わなけりゃ、部屋に直行出来たって言うのに。


思いがけない先輩からの頬へのキスと、結局、分からなかった理玖の気持ち。

一体なんなのよー!!

霧を晴らすかの様に、思いきり頭を振ると、心配そうな顔をした茗が、口重たげに話かけてきた。


「お前…、大丈夫か…?」

「えっ?ああ。ごめん。全然大丈夫だよ」

「なら、良いけど。頭とか打ってねぇよな?」

「大丈夫だってば。そんな事より、恭平と理玖は?」

「二人なら午後の授業行ったけど?」

「そう。……あれ?じゃあ、どうしてここに茗がいるの?」