「僕はどうやら人間に恋をしちゃったようだ」

仲間に一度だけそう言ったことがある。

確か彼はラピスラズリのネックレスで姫様に貰われるとはしゃいでいたのを良く覚えている。

彼は僕の言葉に不思議そうにした後に笑ってこう言った。

「いいんじゃないかな。ぼくは応援するよ」

そんなことを言った彼は一月もしないうちにどこぞの姫様に贈られてこの店からは居なくなった。

僕はまだ売れていない。

幸いなことに。