一緒のクラスだねって信濃くんが言うから今日は本当に最悪な日になった。よろしく、そうよろしくだ。確かに私はそう言った。口上をそのまま現実にしなくたっていいのだ、言霊かなにか知らないがいい加減にしてほしい。言ったこと全部現実になったらこの世は3秒でインディペンデンス・デイだそうでしょう?
多倉麻環、信濃孝太、佐原万里、私たちが9クラス390人の中で偶然一年三組に集まる可能性の求め方をまだ知らなかった。知らなくていい。偶然も奇跡も結局は起こるべくして起こるのだ。望むと望まざるとには残念ながら関わりなく。

「ああ、多倉さん? 同じクラスだったんだね」

改めてよろしく、私の思い描いた続きを本当に声に出すからますます信濃が嫌いになる。私にこちらこそと言わせるお前が気にくわない。どうしてわかりきったことをする必要があるのだろう。大筋が合っているなら枝葉末節の存在意義なんて無い。