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「大池さぁ。」



職員室。


夏期講習終了後、涼子は担任に呼び出されていた。



「お前、やる気あんの?」



向かい合って椅子にふんぞり返りながら担任が睨んでくる。



「何が、ですか?」



「これだよ。」



1枚のプリントを差し出された。


先日のテストだ。



「現代文、35点。」



「…。」



目も合わす事も出来ず、俯いている。



「これだけじゃないぞ。古典32点、数学21点、英語43点…。」



「す、すみません…。」



「大池、大学はどうするんだ?」



「べ、別に、何も…。」



「何も考えていないのか?」



「…。」



「やれやれ。」



担任は大きなため息を吐くと、見せたプリントを無造作に元に戻した。



「まぁ、こんな成績じゃあ、どこの大学でもどうせ無理だろうけどな。」