肩まで伸びる髪を2つに分けて括り、黒縁の眼鏡をかけている。


目の下にあるそばかすが一番のコンプレックス。


そのコンプレックスの影響で、自分から社交的になれない性格。


誰と話していても、何を話せばいいのか分からなくなる。


物心ついた時からそうだった。


可愛くない顔。


暗い性格。


地味な雰囲気。


生まれてから18年間、高校3年生になっても自分には恋愛なんて全く縁がない物だと思っていた。


いや、今でも思っている。


なので、一度も付き合った事がない。


手を繋いだ事すらない。


付き合う、という意味が分からない。


異性にもてない事は自分自身が一番よく分かっている。


それだけに、涼子にとって誠也からの告白は、逆に自分が惨めな気がしていた。