私はシャンさんに連れてこられた場所は私が見たことがない何かが、行く手を塞いでいる。
「何これ…?」
触ってみると固かった。
「これは網だ。俺たちサメ除けの網だ。」
「なんでサメさんをこれでよけるのですか?」
「サメの中には人間に悪さをする者がいてな。それでだ。」
「でも!シャンさんは違いますよ!」
「っ!ふっ、お前はやはり似てるな。あいつに合わせてやりたい。」
悲しそうな瞳をするシャンさん。
「え?あいつ…ですか?」
「あー…。今は知らなくてもいい。いつか教えてやる。」
「はい、いつか話してくれる日を待ってますね?…それよりもこれどうしましょうか…」
この網という向こうには人間がたくさんいるとシャンさんは言ってるのですが…
「向こうの方に網がかかってない唯一の場所があるが…」
言葉を詰まらせるシャンさん。
「そこはあまり人間がいない。それでも行くか?」
「折角ですし、行きたいです!連れて行って下さい!」
「そうか。ほら、乗れ。」
シャンさんは背を私に見せる。
「いや…シャンさん、早いのでやめときます。」
「今度はゆっくりしてやる。そこまで長いから乗れ。」
私は乗ることにした。
「行くぞ。」
あ、ゆっくりしてくれてる。
暫くして、その網のないところまで着いた。