「要、ありがと!」 要(かなめ)、俺の名前を呼んでにこっと可愛らしく笑う唯さん。 ……その笑顔に何人の男が惚れたことか。 唯さんは、自分の可愛さに全く気づいていない。 ぱっちりした大きな目、高く整った鼻、ぷっくりした赤い唇………。 「……いえ、どう致しまして。」 俺は多分、顔が赤くなっていると思う。 そんな顔を見られたくなくて、唯さんから目を逸らした。 ………だけど、