「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」

 「私・・・あたってないわよね?」

壊れたものは大きなツボ。

 「・・・お前割ったな」

落ち着いた声で帰ってくるのは連の声。

 「落としてないわ。あたってもいないしかすってもいない」

 「だが、お前が通った後にそれは壊れた。それは事実だろう」

ぐっと言葉が詰まる。
私が通った瞬間に落ちたのは確か。
割った可能性があるのは私だけ・・・。

 「分かったは。そのツボいくら?弁償するは」

 「弁償ね~」

 「何よ」

 「多分無理だよ?」

 「な、何が無理なのよ!」

 「そのツボ陽の祖父さんのツボだ。去年亡くなられた祖父さんの世界に一つしかない陽だけに作られたツボだ」