金の竜は、開けば人々を魅了するほどに高価なものであることがわかる

それ故、ウォーゼンが本を開くたびにそれに興味がある人々がワイワイと集まってくる

「くだらない」

シノァはぽつりとつぶやき静かに席を立った
人々に囲まれて楽しそうに話をするウォーゼンを苦々しく眺め、酒場から逃れるように暗い路地へと歩き出す

「待ってよぅ
シノァ」

リックスは慌てて彼の後を追った

街頭の下にさまざまな人たちが行き交う
ここは中世の街
王の庇護の元、王城の周りはたくさんの街が栄えた
町民は、王に仕える騎士達に護られ
騎士達は王からの褒美で街を潤す。

街は広がり続け、功績を得た騎士の中からは、城を構えるものもあった

繁栄を続ける王国の下に
3人の騎士たちがあった

これはその3人の騎士たちと
それをめぐる人々との物語

漆黒の