ん〜、おいしっ!!
イチゴタルト最高だな。
次はチーズケーキ、チーズケーキ
ばしっ
「いった!ちょっとチーズケーキ食べてたのにー!!」
「羽織〜。今は数学だぞ」
「あ、すいません。」
あー、またやっちゃたよー。
「お前、また食べてたんだな(笑)」
「せっかく、美味しく食べようとしてたのに。消しゴム投げなくたっていいじゃん。」
「わりぃな(笑)」
「思ってないくせに」
「だって、お前消しゴム投げないと起きないし」
「それはそうだけどさぁ〜」
隣なんだから投げなくてもいいのに。
「羽織、この問題解け。」
「えー、わたしですか?」
「はい、さっさと前くる」
チーズケーキ食べれなかった悔しさと
急に当てられた脱力感の混じった
溜息を吐きながら黒板に向かう。
「はい、できました。」
「お、正解だ。本当に寝てたのか?」
「だから、起きてましたって〜」
こんなやり取りをすると
クラスのみんなが笑ってくれる
「さすがだなっ。お前には敵わねーや」
「何言ってんの。英語1番のくせに。」
「ま、俺は天才だからさ」
私は羽織 阪奈 (はおり はんな)
皆からは、はなって呼ばれてる
蒼沢高校に通う2年生。
甘いものとスポーツがだーいすき
自己中な人が大嫌い。
そしてこの隣にいるのが
北岡 祐季斗 (きたおか ゆきと)
私の幼馴染で片思いの相手でもある
身長が高くてバスケ部のキそャプテン
はにかんだ笑顔がとっても可愛い
きりーつ、礼!
『ありがとうございました。』
はぁ、やっと終わった
「はなはなはなはな〜!」
可愛い声で近づいてきたのは親友の
望木 結穂 (もちき ゆうほ)
スラッとしたスタイルに
この天使のような笑顔は
話してるわたしが癒される〜
「どしたの?」
「さっき、はなが解いた問題どうやるの?」
「あー、これはね…」
「すごーーーい!!
先生より何倍もわかるよ。ほんと」
「まー、橋詰先生わかりにくいもんね」
「あ、はな?この前言ってたお店あるじゃん?」
「あー、あのケーキのお店だっけ?」
「昨日Openしたから今日行こうよ!」
「行きたいー!!!!」
「じゃー、放課後すぐ行こうね」
今日の放課後は美味しいケーキが
食べられる〜そんな気持ちで残りの
授業を終えた。
「さ、はないくよ〜!」
「隣の駅をでで、細道の所だよね?」
「さっすが、はな! ところで、何食べる?」
「そーだなー。んー。」
そんなケーキに想いを馳せてる間に
到着していた。
目の前にはやっぱり行列があり、諦めて帰る人もいる中1番後ろに並んだ。
「望木様〜、お待たせいたしました。
こちらへどうぞ。」
『いらっしゃいませ!』
「わー、すごいね、はな!イケメンばっか。」
「そう?私にはわかんないや」
「こちらになります。メニューはこちらです。そちらのベルでお呼びください」
「はい」
「ね、はな。今の人タイプ。もろタイプ。 河内さんだって!やばいよやばいよ」
「早く、決めようよー。」
「だって、見た?あの、優しさといい香り〜!はー、まじやばいの。」
「はいはい、わたしきーまりっ!」
結穂の言った河内さんは
少し筋肉質でかっちりした体格に、短髪の茶色い髪の毛にくりくりの目が印象的なひとだった。
ぴーんぽーん
「お待たせいたしました。ご注文はお決まりでしょうか?」
「えっとー、チーズスフレとミルクティーで、結穂は?」
「え、ええええっとー、同じで!」
「かしこまりました。少々お待ちください」
待ってる間も結穂は河内さんの話ばかり
ケーキを持ってきてくれたのは
河内さんとは別の人で
すらっとしたスタイルに、目にかかる程度の前髪で、アッシュブラウン
切れ長の目が素敵な人だった。
「お待たせいたしました。
チーズスフレとミルクティーお2つでございます。」
「ありがとうございます」
「はな、早く写真撮らなきゃ」
「うん!わー、美味しそう」
「そちら見せていただけますか?」
「え、これですか?」
そういって私が差し出したのは
ケーキ写真集だった。
「わ、すごいですね。あ!桜の花のチーズケーキ食べたんですか?」
「え、そうなんです!分かるんですか?」
「僕もケーキ大好きなんですよ」
「あ、あのゆりのケーキ食べました?」
「僕、まだなんですよ〜。」
「もったいない!あれ、ほんっっとに美味しいですよ!!」
「早く、僕も行きたいです。
ほんとにケーキがお好きなんですね」
「はい!」
この素敵な人なイメージは壊されることになるとは、考えてもいなかった。