「はいっ!準備します!!」


私は、勢いよく立ち上がり、マスターと同じカウンターの向こう側へ移動した。


「何なに?手作り?」

マスターは、私が開けようとしている箱をのぞきこむ。


今日は、霧澤さんに作る約束をした、

「アップルパイですっ!」


箱を開けると、ふぁっといいにおい。


「美味しそうですねぇ!」


「じゃあ、コーヒー入れ直すわ」


「早く喰わせろ!」


「おまえの分はねぇ!」


「大丈夫です!ありますよっ」


みんなの分を、切り分けてお皿に移す。