やっと谷村が、口を口を開いたと思った言葉が、そんな言葉だった。
「さっき、俺らの結構後ろにいた奴らが『あの2人付き合ってんの?』とか言ってたから。」
だから、別ルートに行こうとか言ったんだ。
「あーね。」
私、全く気が付かなかった。
「なんなら、俺達付き合ってみる?」
はいぃ?急にどうしたコイツ?
「止・め・て。」
「あはは。」
何を言い出すの!?頭がおかしくなった!?
私の心臓は、煩いくらい高鳴っていた。
谷村に、こんな事を言われてドキドキするなんて、どうしたのよ私!
自分に、そう強く問い詰めた。
私の家の下の、近くの付近に差し掛かったこの時、少し違和感があった。
谷村が、急に黙りこくったから。
さっきの事があったせいかと思った。