「夏目くんッ!」


そう叫んだと同時に、無我夢中で走っていたせいか、勢い余って夏目くんの上に倒れ込んだ。


「ッ!?」


夏目くんの苦しそうな声が聞こえたのはきっと気のせいじゃない。


...重くてごめんなさい、そう心の中で謝った。


「...ねぇ、俺になにか恨みでもあるの?」


とても低い声が、頭上から聞こえた。


.....完全に怒ってらっしゃる。


「ご、ごめんなさい!」


あまりの低さに顔も見らずに全力で土下座。


「弁解は?」


「ございません.....」

はぁーと長く深いため息を吐く夏目くん。


「もういいから、俺に何か用?」