「頼むから、付き合わないで」


耳元で聞こえる、夏目くんの声がどうしてだか弱々しく聞こえた。


「夏目くん、どうしたの?」


今日の夏目くんはやっぱり変だ。


「本当に、俺、どうしたんだろうね」


そんな事私に聞かれても……。


「な、夏目くん…あのねッ」


─……夏目くんの事今も好きです。


そう、伝えようと思ったら思わず言葉を飲み込んだ。


夏目くんが、なぜか悲しい顔をしていたから。