「好きだよ。付き合って欲しい」
あぁ、またか……。
下校する生徒が増える中、私が呼ばれたのゎ人通りの少ない校舎裏。
「少し考えさせて……」
「わかった」
安心したのか、さっきまで緊張顔だった男の子の顔は緩んだ。
「じゃあ、そういう事だから……」
「ぅん!またね!」
笑顔で手を振る彼に背中を向け、私は歩きはじめる。
「あ……。報告しとこ……」
私はポケットから携帯を取り出し、ある人に電話をかける。
『はーい』
『あ、れい?私さ、ゆぅくんに告白されたよ』
私がそう言うと、れいは特に驚いた様子はなく、『あー、やっぱりか』と呟く。
『ぅん……どうしたらいいんだろ……』
『それは……きぃが決める事だよ。にしても、きぃってほんとモテるよねー』
電話越しに笑ってるれいにむっとする。
『れい、笑い事じゃないんだけど』
『ごめんごめん』