「……あ、やべ。10時過ぎてる。」

夜広が慌てたように立ち上がった。

「なんか用事??」

「あぁ……母ちゃんに旅館に帰って来いって言われてたんだった。」

夜広の母さんか………。

夜広は有名旅館の次男で、夜広の母さんはその旅館の女将さん。

まあ、良いところのお坊ちゃまって奴だ。


「んじゃ、俺帰るわ。」

じゃーな、なんて言って夜広は帰った。


「私達も帰る?」

紅のそんな提案に、

「あぁ、そうするか。」

「そうっすね。」

俺らも帰ることにした。