「………じゃあ、正式に姫として発表するからな?」

夜広さんが真剣な表情で言った。

夜広さんの表情から、“姫”という役割の大きさが分かる。

きっと簡単になるものではないんだ。

………でも大丈夫。

何でか分からないけど、大丈夫な気がするんだ。


「………よろしくお願いします。」

私は意志が伝わるように、真っ直ぐ夜広さんを見据えた。


「……分かった。これからよろしくな。」

にこっと微笑む夜広さん。

私の意志は伝わったみたい。



「もう、夜広は堅すぎ!せっかく仲間が増えるんだから、もっと楽しくやろうよ!!」

“仲間”って言葉が嬉しくて

思わずにやける。


「私、葉月紅(はづきべに)!よろしくねー!!」

紅さんが私の手を取って、ぶんぶん振り回しながら言った。