「……それで、柚希ちゃんをここに連れて来た理由なんだけど、」
夜広さんが再び話し始めたとき、
ガチャ
「キャーッ!!この子が姫ちゃん!?」
扉が開いて、急に女の人が抱きついてきた。
……………誰!?
「……俺の柚希に触んなよ。」
そう言って、私をその人から引き剥がす梓馬。
だから、梓馬のじゃないってば……。
「“俺の”ってことは、やっぱり姫ちゃんだよね!?」
私が否定する前に、女の人が目を輝かせて言った。
姫ちゃんって誰……
分かんないけど、
私のことをその“姫ちゃん”って人と勘違いしてるのは確か。