そして、容赦ない。
でも、学校生活では人との関わりを持つことが面倒だから、と
常に寝ることをポリシーにしている彼が今日こんな風に関わってくることは珍しい。
っていうか、まずない。
どうしたんだろう、と首をかしげながら不思議に思っていると
「つけられてる」
と彼。
つ、つ、つけられてるって尾行っすか。
え、なに、怖い怖い怖い怖い。
そんなこと誰が────って思い当たる人が一人いた。
ーー悠だ。
きっと、無駄に高いプライドをへし折られて、仕返しってところか。情けない。
でも……
「えっと……それでついててくれるの?」
瀬戸内くんにとってはあまり関係のないことなのに
「あと味わるいからな」
となんだかんだ優しい彼の行いに、戸惑いを覚えた。