……う、何これ。
何で、瀬戸内くんと二人で移動しなきゃいけないのぉおお!
すれ違いざまに突き刺さる視線が痛すぎる!!
「ね、何でこんなことすんの。
場所わかんないなら教えてあげるからさ、それで許してよ」
「アホか、わかるわ」
そう言って頭をコツンと叩かれる。
……この間からずっと思ってたんだけどあなた女嫌いだって言ってましたよね。
髪をくしゃくしゃにしたり、若干ボデイタッチしてくるのは何すか。
「女嫌いって嘘なんでしょ」
「は」
「だって今もこの前も全然普通に触ってくるじゃん」
何だか無性に腹立たしくなって、声のボリュームが上がった。
……この人は自分のスペックを全然わかってない。
わたしだから大丈夫なものの、他の女の子だったら一発で恋に落ちてるよ。
「うーん、こんなに普通に話せるのは知奈だからかな」
「名前でよぶなー、馴れ馴れしい」
「女と話してる感覚がないから」
「おい」