どうやらそれは図星で、禁句らしい。

そんな彼の諸事情など知る由もないわたしはまたもやシャーペン連続攻撃に見舞われた。


「鬼畜鬼畜、ヒキョー者」

「うっせ」


なんだ、なんだ、この人は。

構って欲しいのかよ、全く。

はぁ、とため息をついて前を向きなおすと数分もしないうちに話しかけてくる。



「次の移動教室どこ」

「……物理講義室」

「じゃ、一緒に行こう」



「いやいやいやいや」

「なんやねん」

「普通にナミとゆっちゃんと行くし」

「断っときな」



……断っときなじゃねえよ。


自己中心的すぎて、何も言えねぇ。



行くわけない、と豪語していたわたしだったが

結局はこの状況に目を光らせるナミとゆっちゃんに、彼と一緒に行くように促され、あえなく撃沈したことは言うまでもない。