「ーーもう、今後わたしに関わらないで」
瀬戸内くんのように、笑顔を見せてそう言った。
キミに見せたことない格好で
キミに言ったことない鋭い言葉で
わたしたちの関係を途絶えさせる。
ずっと好きだった、とか
浮気しないで、なんて
生温い言葉なんかいらないから───
「知奈ももう終わりにしたいって。
よかったね、これでお互いの意見が一致したみたいだ。
心置きなく別れられるね」
と、瀬戸内くん。
「───俺は……」
「何?顔がひどくかすんでるよ元彼さん
あ、もしかして、俺はただお前に妬いて欲しかったとかそんなこと言いかけた?
そんなダサいことしないよね。
これ以上幻滅させないでほしいな」
目を光らせて、煽らせる言葉を放つ。
その滑稽さが、わたしを震わせた。
「さよなら、悠」
そう、一言だけ言い残してわたしたちは店を出た。