────まさか、こんな日を迎えることができるなんて、思ってもみなかったから。
嬉しくて、恥ずかしくて、すごく幸せで、心をかき乱されるの。
言葉では言い尽くせないような感情でいっぱいになって。
また、一筋、涙が出る。
「……」
何だかわたし、瀬戸内くんの前だとすごく泣き虫みたいで。
ごめんね、昔も今も、泣いてばっかりだ。
でも、それは、気を許してるってことだから、許してくれる?って言ったら
「許さないね」
って、君は笑いながら、言う。
たとえ、付き合ったとしても、相変わらず厳しいところは厳しい彼だけど。
「……嘘。俺には知奈の全てを、見せて?」
その後に与えられる、甘さに、やっぱりわたしは弱いみたい。
気兼ねなく、なんでも言い合えるこの関係が、わたしには心地いいんだよ。
「……」
わたしたちは、似てないようで、でもどこか似ていて。
それはもう自分の気持ちに嘘をついて、たくさん遠まわりをしたけど
今がよければ、それでいいじゃない、って思える。